作ってたたいて感じる木のあたたかさ~間伐材を使ったカスタネット工作教室

穂積製材所プロジェクトさんによるワークショップがはじまる1時間前、バックヤードから木でできた台車が3つ、会場となるこもれびの広場にゴロゴロと運ばれてきました。

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「なにが始まるんだろう…」と広場に腰掛けながら見守るお客様を横目に、穂積製材所プロジェクトのスタッフの方とボランティアチームのサポーターが着々と作業に取り掛かっていきます。

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そしてそこに現れたのは、穂積製材所プロジェクトさんお手製の木でできた屋台!
ヒノキの香りを漂わせながら、手作りカスタネット教室が始まりました。

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以前このブログでも紹介しましたが、三重県は伊賀・島ヶ原を拠点に活動されている穂積製材所さんは、間伐材を通じて山林が抱える問題に向き合ってらっしゃいます。今回の教室で使う木材ももちろん島ヶ原の間伐材。カスタネットは、前もって丸く加工された木材をヤスリで手触りが良くなるまで磨き、ちょぼっと出た部分を取りつけ、ワックスを塗って完成します。穂積製材所の内田さんをはじめとするスタッフの方が講師となりその手順を説明しつつ、間伐材が抱える問題と、それに対する穂積製材所の取り組みなどについても話されていました。参加者の方も熱心に耳を傾け、1時間の作業はあっという間に過ぎていくのでした。

開始からしばらくは、事前にこの催しを知り、わざわざ阿倍野に足を運んできたとおっしゃるお客様が多かったのですが、懸命に木材をヤスリで磨く様子を見たり、ヒノキの香りに誘われたり、「私もやってみようかしら♪」と飛び込みで参加されるお客様が次第に増え、教室は大盛況となりました。開始して数時間のうちに用意していた木材が半分近くになるほどで、内田さんも「こんなに参加してもらえるとは」と、嬉しい悲鳴をあげていらっしゃいました。

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中には「これ何やってんねや?」「カスタネット作ってんねん」「面白そうやねぇ」「面白いよ、ねぇ」「ほな私もやってみよかな」という、お客様同士の掛け合いから参加に至る、まさに縁活だという場面もありました。しかも、このやりとりは阿倍野ならではだなぁと、一人感心してしまいました。

また、完成したカスタネットをハンバーガー風にラッピングして下さるという、素敵なサプライズプレゼントもありました。
実は前回取材させていただいたときにこのお話を少しうかがっていたのですが、実際の出来を見てみるとそのクオリティにびっくりしました。
ヤスリでできたベーコンに、色紙のチーズにトマト、千切りのレタスを重ねて、カスタネットバーガーの完成です!
あまりの出来のよさに、「孫のお土産にしようと思ってたけど、やっぱりもったいないから飾ることにします」という方もいらっしゃったほどでした。

参加者のほとんどは普段から百貨店に通っているという女性で、どの方も「最近はめっきり木目を見なくなった」とおっしゃいます。月曜日ということで家族連れの参加者は少なかったのですが、そんな中参加してくださったお子さんも、目の前にずらっと並ぶ木に興味深々の様子でした。日常の中で木と疎遠な方々が百貨店で木工とは不思議な感じですが、それこそが縁活の醍醐味で、ヒノキが香る屋台の下で、たくさんの縁が生まれていました。

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次はあなたも、ハルカスで。
カスタネットの音、響かせてみませんか?
(みっつ)

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