『真珠』の輝きが人と人とをつなぐ

ひなまつりの3月3日(日)、近鉄百貨店・阿倍野店7階。中央昇りエスカレーターを降りたその先、普段は単なる踊り場である場所に、幅広の長テーブルが3脚ならび、周りを数個の丸椅子が囲んでいた。NPO法人エスペランサさんの「宇和島の真珠を使ったアクセサリーづくり」の会場だ。そこは、宇和島のポスター、真珠のネックレスやストラップなどが展示され、通る人の目を引いていた。午後1時から始まった催しには、開始とともに数名の人が既に集まっていた。

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テーブルの上に置かれた作業台、上半分に横一直線の溝を10本ほど持った専用台の溝ひとつに、宇和島の真珠はもちろん、アクセサリーのパーツを横一列に並べ、何度も並び変えて見栄えを整える。そして、アクセントとなる素材を挟み込み、仕上げにワイヤーを通し、パーツを繋げることによって、お気に入りのストラップや指輪が出来あがる。今回は、1000円~3000円程度でそのベースとなる材料が提供されていた。

自分のお気に入りが作れるから、いつの間にか夢中になってしまえる。近鉄百貨店にはよく通い、装飾品が好きでネックレスや指輪をよく身につけているという女性は、「たまたまね」とおっしゃった。立ち寄ったのは偶然だったけれど、かわいいのが作れるからと、2個目のアクセサリーづくりをされているところだった。また、買い物ついでにチラシを見て立ち寄ったという別の女性は、作業台に他の誰よりも、長く横一列にパーツを並べ、42cmのネックレスづくりをされていた。「どんなのかなぁと思って」と、ちょっとのぞいてみたのが、そのきっかけだったことを教えてくださった。

宇和島の『真珠』を広めたい。思いはひとつ。es002                      終始笑顔の絶えない和田さん                       話題が豊富な代表の牧さん

この「アクセサリーづくり」のスタッフは、NPO法人エスペランサの代表の牧さん、宇和島の工房から今日のために来阪された和田さんと角田さん、そして『縁活』サポーターの2人で、みんな揃いのポロシャツを着ているのが目をひく。それは鮮やかな水色であり、青い空と澄んだ海とをイメージさせ、温暖な気候の宇和島にピッタリに思えた。左襟の小さなブローチもお揃いで、それは一粒の真珠だけれど、まんまるな球ではなく、しずく型をしていて、シャツの水色によく映えていた。

そんな目を惹くシャツを着たスタッフさんは、アクセサリー作りの指導だけでなく、宇和島をもつ愛媛県が、三重や長崎とならぶ真珠の産地であること。最近では、中国でも真珠の養殖が盛んになっていることや、宇和島の話、自分の話などを聞かせてくれる。宇和島から来られたうちの1人、和田さんが、国内のアコヤ貝を使った真珠を『和珠(わだま)』と呼ぶことがあるらしいが、自分の名前(わだ)、この和珠(わだま)をかけて自分の工房を「和珠工房」と名づけられたことや、地元宇和島の再生させた古民家へ東京や大阪からいっぱいの人に来てもらって、アクセサリー作りや、ご主人が営む無農薬果樹園の柑橘を使ってのマーマレード作りなど、いろんなワークショップを体験してもらいたいと仰っていたのがとても印象的だった。

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     光沢の鮮やかな宇和島真珠           職人角田さんの手ほどき         宇和島の魅力は真珠以外にも

夕方には、それまで1人でアクセサリー作りに参加される方ばかりだったが、娘さんとお母さんが親子連れでやって来られた。娘さんは、小学3年ぐらいだろうか。本当は、おもちゃ売り場目当てで来てはみたものの、思うものがなく、そんな折、Hoopの前で「縁活」というモノを偶然目にしたとのこと。パンフレットを手にいろいろ見てまわっていたら、ここへ辿り着いたそうだ。お母さんと娘さん、そこにスタッフさんも加わって、いろいろしゃべってらっしゃる様子が伺える。どんな話をされているのだろうか?アクセサリー作りが終わって帰られる際に声をかけてみた。「どうでしたか?」娘さんは、「はじめてなので大切にしたい」と、はにかみながら話してくれた。「娘とモノづくりを体験できてよかった」と話してくださったお母さんは、「本物を大事にしようねって、娘と話をしていたところです」と、娘さんの言葉にひとこと添えてくれた。

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17時過ぎ、イベントが終了。この4時間で、20人近くもの人が参加してくださったイベントは、残念なことに今日1日だけの催しである。明日からまた、ここはふつうの踊り場に戻ってしまう。ただ今日だけは、スタッフとお客様との「笑顔」に溢れ、それは、真珠の輝きにも勝るとも劣らない、光り輝く「笑顔」に包まれた空間であったのはいうまでもない。きょう足を運んでいただいた方々、そしてスタッフ、それぞれが、ここでの時間を決して忘れないだろう。もちろん私も、そのうちのひとりである。

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宇和島の魅力は何も『真珠』だけではないようだ。
この宇和島人(うわじまびと)の明るさとパワーも、大きな魅力の一つなのかもしれない。3人の人柄がお客様を呼び、そのお客様が他のお客様を呼ぶという素晴らしい光景を目にすることができた。まさにこれが『縁活』そのもの。
この光景を1日だけで終わらすのはちょっと、もったいない。
文章:植松 衛(team1) 写真:近藤 拓弥(team5)

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