買い物から始まる国際協力 … NPO法人アクセス

フェアトレードとは、現地の生産者・労働者の、人間としての権利や尊厳、文化を尊重し、製品を公正な価格で取引する貿易のことです。

NPO法人アクセスは、フィリピンの貧困地区の女性・子ども・青年を主な支援対象とした教育・保健衛生・フェアトレードなどの支援事業を行っている団体です。フィリピンは現在経済発展が著しい国のひとつですが、世界で最も貧富の差が大きい国のひとつでもあります。長者番付で世界第3位に入る億万長者がいる一方、国民の約半数が1日2ドル以下で暮らす貧困層であると言われています。貧しい家に生まれた子どもは十分な教育を受けることができず、貧困から抜け出すことができないでいるというのが現状です。このような背景のもと、アクセスは貧困問題解決のひとつの手法としてフェアトレード事業を行っています。

この日、街ステーションにはフィリピンで作られたアクセサリーや日用雑貨、クリスマスカードなどが並びました。また、フィリピンから届いたパーツを使ってクリスマスのオーナメントやキーホルダー、アクセサリーなどを作るワークショップも行われました。ココナッツでできたパーツとリボンやビーズなどを組み合わせ、自分だけのオリジナルのオーナメントやアクセサリーを作ります。フィリピンってどこにあるの?というお子様も一緒に、一生懸命オーナメントを作っていました。フィリピンの場所、覚えてくれたでしょうか。

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同時に、フェアトレードとは何か?フィリピンってどんな国?ということが分かる資料も展示されました。街ステーションには色々なお客さんがいらっしゃるので、フェアトレードについて、フィリピンのことを知らない方にも知ってもらうチャンスととらえ、フェアトレード事業部のメンバー8人でどんな展示をしたらいいか話し合って2ヶ月前から作成したそうです。雑貨の生産者の皆さんを紹介する資料も展示されており、どんな人が作っているのかが分かると、購入してくださったお客さんもより大切にしようと思ってくださるかもしれませんね。

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アクセスはフィリピンで作った雑貨をただ販売するだけでなく、生産者の技術・能力を向上させるべく、技術指導・能力開発研修にも力を入れています。2001年と現在を比較すると、細かいパーツが作れるようになるなど、生産者の技術は向上しています。

この日は近くの大学のフェアトレードサークルの方も遊びに来てくれました。様々なところで解決に向けた取り組みをされている方がいらっしゃるのですね。

国際協力と聞くと敷居の高いものに思えてしまいますが、フェアトレードは、買い物という身近な行動を通じて貧しい地域の支援を行うことができます。そういえば、スーパーに行くと日本以外の地域で生産されたものがたくさん並んでいます。グローバル化が進んだ今日の社会において、”世界”は思いの外近くにあるのかもしれません。自分の普段の行動について、改めて考えてみようと思うきっかけをもらった一日でした。

来年2月1日、2日にもフェアトレードでバレンタインラッピングというワークショップが行われるようですので、興味のある方はぜひ、街ステーションに足を運んでみてくださいね!(written by masue)

NPO法人アクセス http://acceftt.sunnyday.jp/
次回開催予定
「フェアトレードでバレンタインラッピング」
日時:2014年2月1日(土)~2日(日)
場所:5階街ステーション