2013年もいよいよ残り1ヶ月。
どことなく慌ただしい空気が漂いはじめた12月1日、あべのハルカスの7階街ステーションにて『クリエイティブアウォード関西』2013年授賞式が行われました。『クリエイティブアウォード関西』とは、関西圏を中心に創造的な活動をしている『人、モノ、コト』を自薦他薦問わずに毎年『独創性』『地域性』『交流性』を基準として実践者同士で表彰していくプロジェクトです。
応募期間中にエントリーがあった中から審査にて10組のファイナリストが選出され、この日は各組による発表と、参加者も含めた投票にて、グランプリが決定されました。
ファイナリストは以下の10組の皆さんです。(あいうえお順、敬称略)
- Cafe303
「地域の方々とお話できたら」という思いから自宅をカフェとして開放、マンションの住民の方々の交流を生み出している。トイレは「厠書房」という本を持ち寄る空間に。 - 株式会社ダブディビデザイン
「福祉(Welfare)とビジネス(Business)をデザイン(Design)でつなぐ」をテーマに、障害のある人もない人も同じように仕事を楽しみ、同じようにお給料が稼げるような社会を目指した事業活動を行う。 - 銀聲舎
大正・昭和時代に立てられた近代建築の保存や活用の方法を構築する傍ら、建造物活用やアートプロジェクトを軸に地域活性を目指す国内の市民団体と提携し、さまざまな支援を実施。 - 木津川アート
京都府木津川市にて、使われなくなった建物、どこか懐かしい風景、アートを感じさせる空間を利用して、展示やパフォーマンスやワークショップが行われる地域型芸術祭。 - Kisssh-Kissssssh映画祭
和歌山の加太という漁師町を舞台に行われている映画祭。使われていない民家や倉庫で自主制作映画の上映や加太の文化に触れることのできる展示、各会場を周遊しながら、加太のまち歩きを楽しむこともできる。 - 神戸モトマチ大学
元町~三宮を広大なキャンパスとして、学びから人の輪をうみだすプロジェクト。小規模な都市ならではのつながりの強さがまちのもつチカラを最大限に引き出すと考え、「トモダチのトモダチ」の距離のつながりを創っている。 - サービスグラントで活躍するプロボノワーカー
NPOに対して「スキル」や「ノウハウ」を提供することによってNPOを支援する「プロジェクト型助成」を行う。プロジェクトマネジメントやマーケティング、デザインなど様々なスキルを持った社会人「プロボノワーカー」がふだんの仕事で培ったスキルを活かし、NPOの支援に貢献している。 - つくるビル
京都にある古ビルを活用し、アーティスト、クリエイターのためのアトリエビル(つくり場)として利用。「主体的に開かれたつくり場」をコンセプトとし、レンタルスペースであるアトリエ・オフィス、共用で利用できるギャラリー、工作室、カフェ、ショップで構成される。 - 病院×アートプロジェクト
主に京都の病院・医療福祉施設で、アートによる総合的な療養環境の改善に取り組んでいる。病院とアーティストとのマッチングを実現する場として「ホスピタルアート・オブ・ザ・イヤー」を開催。 - まちライブラリー@大阪府立大学
蔵書0冊からスタートし、イベントの主催者や参加者が持ち寄った本で構成される、みんなで育てるライブラリー。全て人との出会いや、学び合いの場として「人と人」「まちと人」「大阪と各地域」をつなぐ場となることを目指す。
本当に皆さんユニークで素敵な活動をされている方ばかり。一組ずつ詳細にご紹介したいところですが、そうすると超・長文になってしまいますので一言での紹介にとどめました。詳しく知りたいという方は、それぞれのHPをご覧いただければと思います。発表の様子も様々で、スライドを使って写真をたくさん紹介しながらお話される方もいれば、まるで漫才のように2人でお話をされる方もいらっしゃいました。
銀聲舎のお二人。まるで漫才のような面白いお話でした!
10組の発表が終わると、来場者の皆さんも含めての投票が行われます。これまでの一次、二次審査員による投票とこの日の投票結果を合わせ、見事グランプリに選ばれたのは、Kisssh-Kissssssh映画祭の皆さんでした!!
投票結果は以下のようになりました。
- 1位 Kisssh-Kissssssh映画祭
- 2位 神戸モトマチ大学
- 2位 まちライブラリー@大阪府立大学
- 4位 Cafe303
- 5位 木津川アート
- 6位 つくるビル
- 7位 株式会社ダブディビデザイン
- 8位 サービスグラントで活躍するプロボノワーカー
- 9位 銀聲舎
- 10位 病院×アートプロジェクト
1位のKisssh-Kissssssh映画祭の皆さんには、トロフィーと、現代アーティストの『新聞女』こと西沢ミユキさん制作の王冠(帽子?)が贈呈されました。本当におめでとうございます!
Kisssh-Kissssssh映画祭の皆さん。グランプリおめでとうございます!
皆さんの発表を聞きながら、「デザインって何だろう、クリエイティブってどういうことだろう」と考えていました。デザインやクリエイティブという言葉からは絵を描く、ものをつくる、そういったことがイメージされがちですが、それだけではないのだということを感じました。
審査員の方がおっしゃっていた『デザインそのものより「取り組み」が多かった』という言葉が印象的でした。表彰された皆さんの作品は『モノ』そのものではなく『取り組み』でした。 地域や身の回りで感じた問題意識に対して「もっとこうなったらいいな」という思いを持ち、自分たちができるやり方で少しずつ変えていくこと、その取り組みをより魅力的に見せるため、伝えるためにデザインがあり、実現に向けて試行錯誤する過程そのものが「クリエイティブ」といえるのではないか、と思いました。
縁活は、そんなクリエイティブな活動をされている皆さんを応援していけるところではないでしょうか。街ステーションという場所を使っていただくことで、これまでには出会えなかったお客さんが来てくださるかもしれません。また、縁活には様々な市民団体の方やボランティアのメンバーが関わっていますので、新しい出会い、つながりが生まれることもあるでしょう。この日来てくださった皆さんには、また街ステーションで、縁活を通じてお会いできるんじゃないかという気がしています。
また、「縁活」そのものもクリエイティブな活動といえるのではないかと思います。来年は縁活もこの『クリエイティブアウォード関西』にエントリーしてみるのはどうでしょうか…?
身近に面白い活動をされている方がたくさんいらっしゃるということが分かり、私自身にとっても、とても有意義な一日になりました。(written by masue)