ハルカスで三重を感じる、知る一日。三重県フェアinあべの~幸結びの路・熊野古道伊勢路を歩こう!

三重県・・・というと、まず伊勢神宮や志摩の海の幸を思い浮かべる人が多いと思います。

しかし、南北に約180km・東西に約100kmと非常に縦長で様々な地形を有する三重県の中でも、

世界遺産の熊野古道を始めとする南に位置する山間部には魅力的なエリアが目白押し!

そんな魅力的な「熊野古道から伊勢に至る幸結びの路」にスポットを当てたイベントが、

1月26日(日)にあべのハルカス内の全ての街ステーションで開催されました!

過去にないレベル

■6F:第2のふるさとにしたい天空の山里「赤倉」で、本物の田舎暮らし体験

6F街ステーションでは、「本物の田舎暮らしが体験できる 熊野・赤倉」を感じる茶話会が行われました。

のイベントの全容を、リレー形式で紹介していきます。

奥熊野にあるかつて修験者が踏破した裏本宮道にある天空の山里・赤倉で、

1日一組限定の体験型民泊「童集乃村(わらしべのむら)」を営まれている中平孝之さんにお話いただきました。

まず初めに、お茶の大学の生徒会・会長様により、赤倉で自生する野生のお茶「熊野番茶」を淹れていただきました。

赤倉の甘い軟水で沸かしたお茶はまろやかで香りに芯があり、とても気持ちがホッ・・・と和むお茶でした。

次いで、お茶請けのお菓子として、赤倉の厳しい自然で育てられた生姜のクッキーをいただきました。

カタチはあまごを模していて可愛らしく、スッーと鼻を抜けていく生姜の香りと共に、

ほんのりとした甘さが体をポカポカと温めてくれそうなとても優しい味でした。

なお、生姜や生姜を活用したスイーツづくりの取組みは、山里の限界集落の現実として一般的な農産物の作付が難しく、

家に籠ってしまいがちな高齢者に、やりがいを持って若者と共に取り組む新しい産業づくりに試行錯誤を重ねていると

のことです。

また、赤倉には「丹倉神社」という、境内は鳥居から坂道を下って入り(何人も受け入れるという意味があるそうで

す)、ご神体は神々しい巨岩という、かつての熊野の自然崇拝の姿を現代に残すパワースポットがあります。

ちなみに、この神社で恋愛成就をお祈りすると良いご縁ができて、境内で結婚式を挙げるカップルが多いとのことです。

最後に、童集乃村名物の「清流の女王」あまごの甘露煮をいただきました。

旨味が凝縮されたちょっと辛めの味付けで、ついつい日本酒が飲みたくなる美味しさでした。

「車で来たと観光客があまごの甘露煮を食べて、これはお酒と飲みたい→一泊できる施設が欲しい

→童集乃村を営むきっかけとなった」というエピソードが、とても納得できる味でした。

このように、様々な表情を魅せてくれるエピソードが目白押しの赤倉地域。

リピーターのお客様の中には出身は九州ながら、普段アメリカでお仕事をされていて日本に帰国の際は、

「第2のふるさと」として赤倉に居を構えるという熱心なファンがいらっしゃるそうです。

今回の茶話会参加者にお話をお伺いすると、「エネルギーを貰いに、季節毎の自然を満喫しに行きたい」と

すっかり赤倉の魅力にファンになったご様子でした。ぜひ、この天空の山里に体験民泊してみませんか。

http://minpaku.akakura-kumano.com/

■7F:旅イラストレーター&熊野古道ガイド&ツアーコーディネーターの植野めぐみさんによる絵地図講座

絵地図とは、その名の通り、地図をイラストで表現したもの。特長的なものをイラストで表すことで、

よりわかりやすく伝えることができます。実際に訪れた場所を思い出しながら描けば、旅の楽しさは倍増します。

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今回は植野さんの絵地図をお手本に、熊野速玉大社周辺を描きました。大きな道路や川といった中心になるものから、

現地で調べたメモや写真、国土地理院発行の地図を頼りに描いていきます。

絵地図は、縮尺など正確さよりも、相手に伝えたい情報、名物や文化を描くことが重要。

目印になる曲がり角や交差点、信号、コンビニもしっかり描き込みます。

同じ場所を描いても、それぞれの個性が出る絵地図。

「ここってどう描くの?」「すごい上手ですね〜」お互いの地図を見たり、書き方を尋ねたりと、

時間が経つにつれ、参加者同士も打ち解けた雰囲気になりました。(eri)

■8F:熊野magic-新たな縁に出会える熊野古道

8F・こもれびの広場(街ステーション)では、熊野古道の道中で出会った3人の語り手によって、

熊野古道伊勢路の魅力が語られた。

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ひとりは、横浜から熊野に移り住み、熊野にまつわる衣・食・住

のセレクトショップ「木花堂」の店主で、奥熊野発のフリーペーパー「KUMANO JOURNAL」を

発行する久保咲恵さん。

もうひとりは、伊勢神宮から熊野大社までの220kmをあるき『歩く旅の本 伊勢から

熊野まで』にまとめ出版された福元ひろこさん。

3人目は、熊野古道ガイドで旅する人に“持ち歩きできる旅路”を提供したいと絵地図を描い

ている植野めぐみさんだ。

神奈川に住んでいた久保さんだが、父親の故郷でもある熊野地方で世界遺産登録されることが

決まった熊野古道に、どんな魅力があるのか知りたいと、そこを歩いてみることにしたのだそうだ

。以来10年、熊野の住人だ。久保さんにとって、5分も歩けば分け入ってしまう熊野の深い森は、

人の営みを感じさせない非日常の空間で、いまだに行ってみたいところばかりなんだとか。身近に

そんな場所があることが、自らを自分らしくいさせてくれると語る久保さんに、熊野古道が人々を

魅了する一つの理由が見えた気がした。

2年前に、伊勢神宮から熊野大社を踏破した福元さん。熊野古道は、宮崎駿の映画『もののけ姫』に

ある「もののけ森」に出会えるところだという。アスファルトの道路を歩いていたとしても、少し脇に

それたなら、荘厳な景観が、近づく者を畏怖させる空気をまとった深い森が広がっているのだそうだ。

福元さんにとっての熊野古道の魅力は、そればかりではなかった。峠と峠を、点と点とを線でつないで

みることで、それは見えてくる。峠の入り口までバスで行ってしまってもいいが、峠を泊まりで歩く。

道中には、いろいろな出会いがある。熊野古道で歩いている人は目立つらしく、話しかけられもするら

しい。土地が素敵でもあるが、人との出会いもステキなものなのだ。そう言えば、福元さんが、熊野古道を

歩いていて、なんだか見覚えのある景色に、この辺りの地形が似ているから似ている景色だろうと思って

いると、交差点でやはり見覚えのある地名の看板が掛けられた信号機に出くわして、ようやくさっき通った

国道だと気づいたという話をされたのを思い出した。きっとそんな人だから、みんな放って置けなくて、

人一倍、声をかけられているんじゃないかと想像を膨らましたりした。

この日の午前中、同じハルカスで行われたプログラム「絵地図を描いてみよう」の講師でもあった植野さん。

「絵地図」を描けるような人だから器用な人なんだという印象で、植野さんの話に耳を傾けていた。でも器用さ

より、繊細な感受性がうらやましかった。熊野古道は、植野さんにとって、季節や天候はもちろん湿度や日差し

の強弱のちがいにでさえも敏感に反応し、ひとつとして同じ表情を見せることない場所なのだった。一分、一秒、

が。生きている。いま見た景色は、二度と見ることのできない景色。だから何度もシャッターを切る。

他の人には、同じ写真に見えたとしても。そうした光景を、点でなく線としてつなぎ歩いたならば、大海原で

何物かに出会うような超自然的な力を感じられずにはいられないと植野さんは言う。

ちっちゃな花や鳥にでさえ、愛おしさが芽生えてしまうほどに。

ガールズトークの後半は、会場の参加者にゲストの3人も交えたワークショップ(交流会)だった。

熊野古道に対する思いや今回のトークライブの感想などを、グループに分かれてシェアしあった。

同じような関心を持つ者同士で集まっていたが、グループの「キーワード」を綴るためのスケッチブックを

中心に輪になろうと、各人の膝をくっつけあうほどに近づいていたことが、より親密さを感じさせていたよう

に思えた。だからだろうか、ガールズトークの興奮をそのままに、会話が途切れることがないほどに、

盛り上がることができた。

プログラムを終えてあらためて、熊野古道を実際に歩き、そして身近に接しているゲストの話は、

リアリティあるものに思えた。その感動でもって、凄さを感じてほしいという思いが伝わってきた。

そう、熊野古道に来て感じてほしいという思いだ。そしてなにより実際に歩いてみないと感じることの

できないものであるということも。いつの日か、熊野古道で、ゲストやワークショップで語りあった

人々と出会って、その魅力を分かちあえたらと思う。(うえまつ まもる)

 

▽歩く旅の本 特設サイト|東洋出版 – 東洋出版株式会社

http://www.toyo-shuppan.com/arukutabi/

▽奥熊野発フリーペーパーKUMANO JOURNAL

http://kumanojournal.jimdo.com/

■9F:ハルカスで三重を感じる、知る一日。三重県フェアinあべの~

熊野古道伊勢路の象徴・石畳をイメージしたお弁当をつくろう!

9Fのキッチンスタジオでは、東紀州の食材を利用した熊野古道薬草弁当作りが行われました。

ユネスコ世界遺産の熊野古道。世界遺産に認定されて10年目を迎え、伊勢路より熊野に向かうと、

伊勢湾の海の幸、熊野の山の幸が織り込まれた豊富な食材から厳選された東紀州の地元でしか

味わえない味があり、今回ハルカス・キッチンスタジオで再現されました。

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伊勢路からのルートで熊野古道の入り口に位置する紀北町で「始神茶屋 楢」を営まれる楢井義久さんが

今回の講師。新鮮な素材を活かした、色彩豊かな滋味溢れる料理が並びました。

・エリンギの青シソ和え

・アオサのワサビ和え

・沖ギスのかば焼き

・ガス海老の塩焼き

このように、一日を通して三重県の良さを体感できるイベントは想像以上に楽しい時間でした!

三重県に行ってみたいなーと思っていても、なかなか行く機会や、行くきっかけが見つからない、

そんな思いを案外みなさんお持ちであると思います。

このレポートを通して、みなさんがより三重県を身近に感じることができれば嬉しいです。

 

気になっていただけた方は、下記URLより、熊野古道伊勢路のWEBサイトも是非チェックしてみてください。

http://www.kumanokodo-iseji.jp/